学術活動

NphA ファーマシーフォーラム2009(H21.11.14・15 )

ビスフォスフォネート製剤コンプライアンス向上のための薬剤師の役割

ビスフォスフォネート製剤コンプライアンス向上のための薬剤師の役割

(株)ピノキオ薬局

目 的

骨粗鬆症の患者数は、高齢化に伴い年々増加しており、積極的な薬物治療が行われている。
長期的な治療が必要な骨粗鬆症治療において、ビスフォスフォネート製剤は服用方法が煩雑などの理由もあり、継続性が重要な問題となっている。薬物治療継続における薬剤師の役割はとても重要であるが、現時点では、初回時に服用方法を重点的に指導した後、2回目以降は飲み方の確認が主であり、継続的な服用意義に関する指導が十分でないケースも少なくない。
そこで、我々は毎日製剤と週1回製剤の患者状況を調査し、コンプライアンスの向上を目指した服薬指導と薬剤師の役割についての検討を行った。

方 法

一次調査として、毎日製剤の処方のある店舗については平成18年4月1日~平成18年5月31日までの2ヶ月間、週1回製剤の処方のある店舗については平成19年5月14日~平成19年6月14日までの1ヶ月間に患者アンケートを行った。
アンケートの内容は「服用年数」、「飲み忘れの頻度」、「服用しなかった理由」、「薬剤師に説明してもらいたい内容」、「週1回製剤のメリット・デメリット」、「薬剤師からの説明の頻度」とした。
これらの結果を基に、二次調査として、週1回製剤の処方のある店舗17店舗において、平成19年12月1日~平成20年3月31日の4ヶ月間パンフレットを活用した服薬指導を実施した。その前後で患者アンケートを実施し、コンプライアンス、疾患または薬物治療への理解や治療意欲がどのように変化したかなどについて回答を得た。全てのアンケートにおいて、性別、年齢、併用薬、他疾患などについては薬剤師より解答を得た。

結果&考察

毎日製剤での飲み忘れを経験した患者は35%[全232例]、週一製剤での飲み忘れを経験した患者は27%であった[全71例]。飲み忘れを減らすためには、毎日服用する製剤・週1回服用する製剤どちらにおいても、「服用後30分間は水以外の飲食物や薬は服用しない」という項目が重要なポイントであった。服薬指導では服用方法を正しく理解してもらうだけではなく、服薬指導を工夫して飲み忘れを経験する時期の服薬指導を重点的に行うこと、治療効果や副作用、疾患に関する理解を深めていくことが継続服用およびアドヒアランス向上につながることが示された。
二次調査における事前アンケートにおいて、飲み忘れを経験した患者は38% [全142例] であった。パンフレットを用いた服薬指導によって、飲み忘れを経験していた患者の50%[27例]においてコンプライアンスの改善を行うことができた。また、116例(約82%)の患者より「説明がわかりやすかった、薬の必要性がわかった」などの意見が得られた。パンフレットを用いた服薬指導により、治療意欲・疾患または薬物治療への理解度は向上した。今後はパンフレットの内容をまとめ見やすくするなどの工夫を行うことにより、更なるコンプライアンスの向上・治療の継続につなげられると考えている。