学術活動

第7回日本薬局学会(大阪国際会議場)(H25.11.23,24)

処方医との連携によるリリカ重大な副作用モニタリングと用量検討
薬剤師が小児中耳炎患者のアドヒアランス向上のためにできること

処方医との連携によるリリカ重大な副作用モニタリングと用量検討

株式会社ピノキオファルマ1、株式会社ピノキオ薬局2、新島内科クリニック3 ○田中直哉1、町田匡俊2、土谷美圭2、村田良実2、近藤澄子2、 田中秀和2、新島健司3

目 的

慢性疼痛患者数は大規模調査により、全人口の約14%から23%と報告されている。しかし、治療に満足しているとしている患者の割合は約1/4に過ぎず、大きな課題となっている。慢性疼痛に関する薬剤が開発され調剤することも多くなった。中でもリリカは適応拡大とともに、使用量が増えている。また、重大な副作用も発売後2年で9項目報告されている薬剤である。効果を期待して増量すると、副作用により服用できない場合もあり、用量と効果にジレンマが発生している。薬剤師として副作用を把握しつつ用量設定に関わっていくべき薬剤と考え、処方医と連携のもと処方設計に携わることとした。

方 法

2013年3~4の2ヶ月間の間にリリカを服用している全患者のうち、服用期間が3ヶ月以上の全患者14名を対象とした。重大な副作用・疼痛評価・治療への満足度・副作用の指標となる検査値について調査した。疼痛評価に関しては、数値評価スケール(NRS)を使用した。

結 果

疼痛スコアは6.0点から2.1点へと有意に減少したが、満足度調査で不満足が2名いた。2名の患者の中で1名は胃腸障害の副作用のため増量できなかった。もう1名に関しては、処方変更できたが、症状の改善はなかった。副作用モニタリングで、BNP高値1名、BNP、Cr高値でむくみが生じている患者1名が抽出された。両名に関して処方医と今後の処方とモニタリング方法について処方検討した。

考 察

リリカは、高齢者に処方されていることが多く、生理機能低下も含めて検討する必要性を感じた。薬剤師は、副作用の早期発見のために重要な役割を果たしているが、副作用発生頻度の高い薬剤に関しては、少なくとも重大な副作用に関しては全項目確認するべきである。単に副作用を聞き取るだけではなく、処方医と連携をとり処方検討を行いながら、薬局薬剤師の活動や必要性を見えるものにしていくべきだと考えている。

薬剤師が小児中耳炎患者のアドヒアランス向上のためにできること

目的

小児では急性中耳炎の治療が不十分であり、再発や慢性化が問題となっている。要因の1つに急性中耳炎に対するアドヒアランス(以下AD)の低下(症状がおさまると服薬をやめてしまう、粉やシロップの味が苦手、幼稚園では飲ませてくれない)が挙げられる。本研究では、小児の中耳炎患者の実態を調査しADを向上させ再発率を低下させることとした。

方法

期間は2013年5月1日から7月31日で、小児で急性中耳炎の症状(耳痛、発熱、耳垂れ)がある患者を対象に、来局回数、服薬に関する苦労(副作用で飲めない、味が苦手、幼稚園など環境のせいで飲めない、飲み続けることが重要とわかっていない、点耳がうまくできない)、合併の有無(アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、インフルエンザ)、抗生剤や併用薬の品目について投薬時に調査し、治療効果との関連性を調べた。

結果

症例数は50例で、調査後初めて急性中耳炎でかかった患者の中で、過去に中耳炎を経験している割合は66%であった。服薬に関する苦労の内訳は、点耳がうまくできないが最も多く、次いで幼稚園など環境のせいで飲めない、味が苦手が多かった。年齢別の結果では、1歳以下では点耳がうまくできない、幼稚園に通っている3~6歳では耳痛の訴えや点耳がうまくできない、薬の味が苦手という症例が多く、小学生では薬が飲めない・点耳ができないという症例は減少した。薬剤師としてAD向上のために改善できるように重点的に再指導を行った結果有意に改善した。また、抗生剤の使用状況はアモキシシリンが最も多く、次いでクラリスロマイシン、セフジトレンなどであり、ほとんどの症例で初回から使用されていた。

考察

薬をうまく服用・使用できない理由が年齢により異なることが今回明らかになった。そのことを踏まえ、重点的な指導、改善策の提案を行っていくことで我々薬剤師が急性中耳炎の改善・再発、慢性化防止に貢献できると考えている。