ピノキオ薬局は、栃木県内を中心に大型調剤薬局を主とした店舗を展開している保険調剤薬局です。

第22回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第5回国際口腔ケア学会総会・学術大会

第22回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第5回国際口腔ケア学会総会・学術大会(2025年4月26日、27日)

昨年に引き続き、今年も口腔ケア学会でピノキオ薬局のオーラルケアの取り組みについて発表してきました。
近年口腔ケア領域において、薬局薬剤師と歯科医師・歯科衛生士との連携が注目されてきております。
ピノキオ薬局では何年も前から口腔ケアの重要性について着目し取り組んできました。
その中で今回は、在宅患者におけるセルフケア推進についてとりくんだ内容を発表してきました。

今後も地域患者の口腔ケアに貢献できるよう、取り組んでまいります。

在宅患者における口腔セルフケア用品の積極的供給と意識調査について~薬剤師に出来ること~

荏原俊介

目的

オーラルフレイル(以下OF)の予防・改善には、多職種による適切な介入・支援が求められる。口腔衛生のプロフェッショナルケアとセルフケア(以下SC)は口腔内の健康維持において相互に補完し合う関係である。在宅患者への訪問歯科診療紹介は以前から推進しているが、SCに対しては訪問薬剤師の介入余地があると考える。そこで、訪問時にSC用品の積極的供給を実施し、口腔状態把握の試みを行ったので報告する

方法

2024年10月28日から11月18の期間、筆者の担当在宅患者21名へOFとSC用品の説明を実施し、口腔状態把握のアンケート調査を行った。
口腔ケアへの関心を高めるため「口腔ケアスターターキット(以下OCSK)」を設定し紹介した。

結果

OFの危険性が認められた患者は12名(57.1%)であり、「SC用品に興味がある」は12名であった。「SCを実施できていると思う」15名中、「SCに自信がある」は7名、「口の健康は良いと思う」は9名とであった。
また、歯科診療を受けていない割合は10名(47.6%)であり、そのうち9名は相談者がいなかった。歯ブラシを定期的に交換していない8名を含めた12名が購入に至り、薬剤師がSC用品を持参して欲しいと期待する患者は13名(61.9%)であった。

考察

本取り組みによって、SC用品の隠れた需要を見つけ出す事ができた。在宅患者では総じてOFリスクが高い傾向にあるが、薬剤師によるSC用品のサポートが、口腔ケアの動機付けに有用である事が示唆された。
【関連資料】
第22回日本口腔ケア学会総会・学術大会/第5回国際口腔ケア学会総会・学術大会