ピノキオ薬局は、栃木県内を中心に大型調剤薬局を主とした店舗を展開している保険調剤薬局です。

第19回日本医療薬学会

第19回日本医療薬学会(H21.10.24・25 長崎ブリックホール)

吸入ステロイド薬における服薬指導の再評価~継続的な吸入指導を目指して~

吸入ステロイド薬における服薬指導の再評価~継続的な吸入指導を目指して~

寺戸 靖1)、田中 直哉2)、近藤 澄子1)、田中 秀和1) 株式会社ピノキオ薬局1)、株式会社カロン2)

目 的

現在、吸入ステロイド薬は喘息治療のガイドラインで第一選択薬として位置づけられている。また、吸入ステロイド薬の継続的な使用が喘息治療には不可欠である。吸入ステロイド薬は製剤によりそれぞれ吸入方法が異なり、正しく吸入されていなければその効果は十分に得られない。吸入ステロイド薬の服薬指導に関しては、初回処方時のみ重点的に指導した後、吸入しているかの確認が主となり、継続的な吸入指導が十分でないケースも多くみられ、患者が継続して正しい吸入方法で使用できているとは必ずしも言えない。そこで、我々は継続的な吸入指導を目指し、吸入ステロイド薬の服薬指導について検討をおこなった。

方 法

吸入ステロイド薬(アドエア・フルタイド・キュバール・パルミコート)のそれぞれに関して、吸入方法のポイントをまとめた患者用の吸入パンフレットを独自に作成し、それに合わせて吸入チェックシートを作製した。吸入チェックシートは薬剤師が服薬指導後に記入し、吸入方法は正しく出来ているか・前回から「発作は無かったか」・「β刺激薬の使用はあったか」などの項目チェックを行った。
期間は平成21年4月1日からとし、吸入ステロイド薬の処方のあるピノキオ薬局15店舗において、患者来局時ごとにチェックを行った。

結果&考察

吸入ステロイド薬を使用している患者においては、間違った吸入方法で使用されている事例がみられた。「息止めをする」・「水平に吸入器を保つ」などの項目が不十分である例が多かった。これは、長期吸入ステロイド薬使用で患者個々の使い方に変化していったこと・使用に対する慣れなどが理由として考えられる。
よって、吸入指導では喘息治療において、服薬指導時における継続した吸入方法のチェック・指導が不可欠であると考えられ、発作などのイベント抑制などにもつながるものであると考える。