学術活動
第6回日本薬局学会学術総会(H24.10.27・28 福岡市)
ジェネリック医薬品を服用している患者の意識調査と今後のジェネリック医薬品推進のあり方
一包化した薬剤の監査システムの開発と評価
一包化した薬剤の監査システムの開発と評価
ジェネリック医薬品を服用している患者の意識調査と今後のジェネリック医薬品推進のあり方
磯 和宏1)、近藤 澄子1)、田中 直哉2)、矢島 毅彦3)、田中 秀和1) 株式会社ピノキオ薬局1)、株式会社カロン2)、NPO法人 Health Vigilance研究会3)
目 的
医療費の増加に伴い、ジェネリック医薬品(GE)を服用する患者は増えている。
そこで
・GEへの変更のきっかけが何であったのか
・GEメーカーが行っている製剤的工夫(味、大きさ、形状)を患者はどう感じているのか
・GEに変更し服用を続けている患者はGEへの変更をどのように感じているのか
を調査することにより、今後のGE普及のあり方を検討することとした。
そこで
・GEへの変更のきっかけが何であったのか
・GEメーカーが行っている製剤的工夫(味、大きさ、形状)を患者はどう感じているのか
・GEに変更し服用を続けている患者はGEへの変更をどのように感じているのか
を調査することにより、今後のGE普及のあり方を検討することとした。
方 法
栃木県内にあるピノキオ薬局系列から10店舗を選別して、
平成24年5月15日以降に来局した患者に無記名アンケートを実施した。
各店50名に到達した時点で終了とした。
平成24年5月15日以降に来局した患者に無記名アンケートを実施した。
各店50名に到達した時点で終了とした。
結 果
メーカーによる製剤的工夫を説明することにより、GEへの変更に寄与できると推測していたが、先発医薬品に不満を感じている患者は極少数であり、GEに対して何らかの付加価値を求めることはなかった。
GEへの変更に関して約半数が不安はなかったと回答した。
「薬剤師が品質に疑問があると考えるGE」ですら、3割の患者は安くなるのであれば使用したいと考えている、という結果から、GEの価格に関する情報のみが尊重されていることが示唆された。
GEに変更したきっかけは、薬剤師の勧めが最も多かったが、約半数に留まった。
薬剤師の勧めで変更した患者では、「薬剤師が品質に疑問があるGEを使いたくない」と回答した割合が高かったのに対し、それ以外の理由でGEに変更した患者ではその割合は低かった。
今後もGEを続けていきたいと回答した割合は9割を超え、GEに対する満足度は高かった。
GEへの変更に関して約半数が不安はなかったと回答した。
「薬剤師が品質に疑問があると考えるGE」ですら、3割の患者は安くなるのであれば使用したいと考えている、という結果から、GEの価格に関する情報のみが尊重されていることが示唆された。
GEに変更したきっかけは、薬剤師の勧めが最も多かったが、約半数に留まった。
薬剤師の勧めで変更した患者では、「薬剤師が品質に疑問があるGEを使いたくない」と回答した割合が高かったのに対し、それ以外の理由でGEに変更した患者ではその割合は低かった。
今後もGEを続けていきたいと回答した割合は9割を超え、GEに対する満足度は高かった。
考 察
薬剤師の説明でGEに変更した患者は、「薬剤師が品質に疑問があると考えるGEを使用したくない」と考えていることから、GE推進を薬剤師主導で勧めることでより安全なGE提供が可能となるであろう。
GEへの変更は、薬剤師が深く関われる業務であり、価格のみのイメージを払拭するため、質を担保する必要があるであろうと考えている。
GEへの変更は、薬剤師が深く関われる業務であり、価格のみのイメージを払拭するため、質を担保する必要があるであろうと考えている。
一包化した薬剤の監査システムの開発と評価
田中 直哉2)、近藤 澄子1)、田中 秀和1) 株式会社ピノキオ薬局1)、株式会社カロン2)
目的
高齢化が進み、一包化が必要とされる患者は増加している。
一包化する機器は自動化が進んでいるが、一包化を監査する機器は現在開発が行われているところである。それらは、薬剤の色・形状・寸法等により自動で判断するというものであり価格も高い。また、刻印により判断を行うものではないため、同一色・同一形状の別薬剤を認識することは難しい。
現時点での画像解析技術では刻印を読み取り判断することは困難であり、実際人間が目で見る監査ほどの精度は期待できない。薬剤の小さな刻印を読み取る薬剤師の眼は疲労を極め、大変時間もかかるものであり、患者を長時間待たせることにつながっていた。
そこで、画像解析技術が進歩し、裸錠自動監査が可能となるまでの手段として、監査労力を軽減するための補助的な一包化監査システムを、費用を抑えて作成することとした。
一包化する機器は自動化が進んでいるが、一包化を監査する機器は現在開発が行われているところである。それらは、薬剤の色・形状・寸法等により自動で判断するというものであり価格も高い。また、刻印により判断を行うものではないため、同一色・同一形状の別薬剤を認識することは難しい。
現時点での画像解析技術では刻印を読み取り判断することは困難であり、実際人間が目で見る監査ほどの精度は期待できない。薬剤の小さな刻印を読み取る薬剤師の眼は疲労を極め、大変時間もかかるものであり、患者を長時間待たせることにつながっていた。
そこで、画像解析技術が進歩し、裸錠自動監査が可能となるまでの手段として、監査労力を軽減するための補助的な一包化監査システムを、費用を抑えて作成することとした。
方法
一包化した錠剤をパソコン上に拡大表示し、画面上にマウスで印を付けられるようなシステムを作成した。
錠剤の刻印は裏表両方同時に表示し、錠剤がどちらを向いていても確認できるようにした。
その上で、このシステムを利用した場合と利用しない場合とで監査時間を比較した。
また、アンケートを実施した。
錠剤の刻印は裏表両方同時に表示し、錠剤がどちらを向いていても確認できるようにした。
その上で、このシステムを利用した場合と利用しない場合とで監査時間を比較した。
また、アンケートを実施した。
結果
錠剤が拡大されることで刻印が見やすくなった。また、片方にしか付いていない刻印も両面確認できるようになり錠剤をひっくり返して確認する必要が無くなった。
一包化した薬剤の錠剤数が少ないものでは肉眼での監査と時間的差は無かったが、錠剤数が多い分包袋では監査時間は減少した。
一包化した薬剤の錠剤数が少ないものでは肉眼での監査と時間的差は無かったが、錠剤数が多い分包袋では監査時間は減少した。
考察
一包化薬剤を正確かつ迅速に監査するための補助的なシステムを提供し、薬剤師の労力と監査時間を減らすことで、患者の待ち時間短縮に貢献できたと考えている。
一包化された薬剤を正確に認識するためには、刻印を読み取ることが一番重要である。
技術進歩により、精度の高い解析ができるようになる際には、システムにインストールし自動監査へ移行させたいと考えている。
一包化された薬剤を正確に認識するためには、刻印を読み取ることが一番重要である。
技術進歩により、精度の高い解析ができるようになる際には、システムにインストールし自動監査へ移行させたいと考えている。