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日本薬学会125年会

日本薬学会125年会()

「自治医科大学付属病院における院外処方せんの疑義照会の内容分析について」 

「自治医科大学付属病院における院外処方せんの疑義照会の内容分析について」

自治医科大学付属病院薬剤部と共同研究

目 的

処方監査における疑義照会は、医薬分業の目指す「医薬品の適正使用」を推進するうえで重要な業務の一つであり、医療事故防止の観点からも徹底した実施が求められる。
保険薬局の疑義照会に関わる様々な問題を解決するには、保険薬局単独での対応には難しい部分もあり、処方せんを発行する医療機関との連携が重要である。
そこで今回、改善すべき問題点の把握と今後の対応策について、疑義照会の評価、分析をした。

方 法

2004年2月から5月までの4ヶ月間に自治医科大学附属病院から発行された処方せんを対象に、保険薬局からの疑義照会内容を分析した。
疑義照会内容は規定による疑義、安全性に関する薬学的疑義及び患者の服薬状況からの疑義等に分けて集計を行った。

結 果

対象の処方せん枚数は88,971枚で、疑義照会の割合は5.8%(5,156件)であった。規定による処方箋不備は3.16% (2813件)、安全性に関する疑義0.44% (395件)と患者の服薬状況に関する疑義は0.80% (711件)であった。
この疑義照会の中には、配合禁忌及び相互作用回避の件数が23件含まれていた。
また、全疑義照会件数のうち、処方変更があったのは816件であった。禁忌薬の処方での処方変更や中止には、潰瘍やアスピリン喘息患者へのロキソニン投与、前立腺肥大患者へのテルシガン投与、重篤な腎障害がある患者へのクリノリル投与などがあった。
一方、禁忌薬処方や副作用、アレルギー歴による回避処方が継続される事例もあり、患者の疾病の背景や病態にあったきめ細かな監査・服薬指導および医師とのコミュニケーションが大切であると思われた。