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第17回日本医療薬学会年会

第17回日本医療薬学会年会(H19.9.29・30 群馬)

ビスフォスフォネート製剤コンプライアンス向上のための薬剤師の役割~週1回服用の製剤の処方をうけて~
(ポスター発表)

ビスフォスフォネート製剤コンプライアンス向上のための薬剤師の役割~週1回服用の製剤の処方をうけて~(ポスター発表)

田中 直哉

目 的

近年の急速な高齢化に伴い、骨粗鬆症の患者数は年々増加しており、積極的な薬物治療が行われようになり、長期的な薬物療法が必要である。
なかでも、ビスフォスフォネート製剤においては、骨塩量増加作用は服用開始3ヶ月目から、骨折抑制作用は約1年後から効果があらわれる。
しかし、服用方法の煩雑さなどの理由からコンプライアンスが重要な問題点としてあげられる。
第16回医療薬学会において報告したが、毎日服用するビスフォスフォネート製剤では、飲み忘れを経験した患者は約35%であった。今回、週1回服用のビスフォスフォネート製剤の処方開始をうけて、骨粗鬆症の薬物治療に関して、どのような薬剤師の役割が必要かを検討した。

方 法

ビスフォスフォネート製剤(週1回服用)の処方のある16店舗において、アレンドロネートを服用している患者にアンケートを行った。実施期間は、平成19年5月14日~平成19年6月14日までの1ヶ月間とした。アンケートの質問は、
1.服用年数
2.コンプライアンス
3.服用しなかった理由
4.薬剤師に説明してもらいたい内容
5.週1回製剤のメリット・デメリット
6.薬剤師からの説明
などの項目である。また、性別、年齢と併用薬および他疾患などについては薬剤師により解答を得た。

結果&考察

アンケートの回収は71例で、飲み忘れを経験した患者は約25%であった。飲み忘れの原因としては週1回だけという服用間隔によるものが多かった。
また、以前に毎日服用する製剤を服用した経験の有無によりコンプライアンスの違いもみられた。ビスフォスフォネート製剤に関して、服薬指導では服用方法を正しく理解してもらうとともに、週1回服用製剤では薬剤師より服用を忘れないためのアイデアを提案していく必要が考えられる。また、治療効果、疾患に関する理解を深めていくことも、継続服用およびコンプライアンス向上につながると考える。
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