学術活動
第31回医療薬学会年会(2021年10月9日・10日 (ライブ+オンデマンド配信))
抗がん剤プロトコルの作成とテレフォンフォローアップによる薬薬連携
目的
2019年より栃木県立がんセンターでは厚生労働行政推進調査事業として、薬局と共同でプロトコル(以下P)の作成とテレフォンフォローアップ(以下TF)および情報共有の取り組みを実施している。弊社ピノキオ薬局陽南店ではP作成委員として策定から実施まで深く関わったので、その継続した取り組みを報告する。
方法
抗がん剤処方患者に、保険薬局からの電話連絡及びその情報の病院との共有の可否について院内で同意を得た上で、来局時に患者への連絡日を決定した。TF実施時はPに基づいて服薬指導を行い、得た情報をトレーシングレポートで病院と共有した。
結果
2019年6月から2020年4月まで集計し、13例の患者に対応した。
投与薬剤の内訳は、S1が3例、カペシタビン6例、ゲフェチニブ1例、オシメルチニブ1例、レンバチニブ3例であった。
副作用は13例中、食欲不振7例と倦怠感7例の発現頻度が高く、程度はG1~G2相当であった。他には高血圧G3、意識消失が各1例であった。
症例1:DS療法、TF実施し、前日に意識消失を起こしたとの訴えがあり医師に報告。貧血に起因する可能性が高く、経過をみて再発時即受診との回答を患者に説明した。その後、血球減少から休薬になったが治療を完遂できた。
症例2:ZEROX療法、開始5日目にTFを実施、悪心・食欲不振がG2で発生。Pに基づき吐き気止めの服用と食事・水分摂取に関する指導、症状悪化や飲食不能となるなら速やかに連絡するよう指導し、服用継続を確認。
TF終了の理由は、治療完遂1例、治療中止3例、経過安定のため必要時に患者より電話するため終了が9例であり、その多くは3か月程度で終了となった。
投与薬剤の内訳は、S1が3例、カペシタビン6例、ゲフェチニブ1例、オシメルチニブ1例、レンバチニブ3例であった。
副作用は13例中、食欲不振7例と倦怠感7例の発現頻度が高く、程度はG1~G2相当であった。他には高血圧G3、意識消失が各1例であった。
症例1:DS療法、TF実施し、前日に意識消失を起こしたとの訴えがあり医師に報告。貧血に起因する可能性が高く、経過をみて再発時即受診との回答を患者に説明した。その後、血球減少から休薬になったが治療を完遂できた。
症例2:ZEROX療法、開始5日目にTFを実施、悪心・食欲不振がG2で発生。Pに基づき吐き気止めの服用と食事・水分摂取に関する指導、症状悪化や飲食不能となるなら速やかに連絡するよう指導し、服用継続を確認。
TF終了の理由は、治療完遂1例、治療中止3例、経過安定のため必要時に患者より電話するため終了が9例であり、その多くは3か月程度で終了となった。
考察
TFは投与開始時直後の患者の不安払拭、副作用の確認に有用であった。TFを行うことで、何かあれば薬局にすぐ相談できるという意識が患者に芽生え、信頼と安心感につながった。必要な時期と頻度がTFには重要と考える。また、Pの確立による薬剤師の行動一元化が、適正治療の貢献につながることが明らかとなった。