学術活動
第19回薬局学会学術総会 (2025年11月1日・2日)
北海道で開催された薬局学会へ参加いたしました。
新入社員の研修と社員旅行を兼ねた学会研修として、若手社員にとっても見識を広げる貴重な機会となりました。
当薬局からは、下記の3つのテーマで日頃の取り組みを発表いたしました。
【専門医療機関連携薬局の取り組み】
【心不全フォローアップ】
【歯科と薬局の連携】
発表を通じて、当薬局が推進する地域医療への貢献と、多職種連携の重要性について、広く発信することができました。
参加した新入社員からは、「最先端の知見に触れ、とても勉強になった」と喜びの声が聞かれ、大きな刺激を得られたようです。
来年開催される大阪での学会に向けて、今後も薬局業務の質を高め、より良い医療サービスを提供できるよう、スタッフ一同、尽力してまいります。
新入社員の研修と社員旅行を兼ねた学会研修として、若手社員にとっても見識を広げる貴重な機会となりました。
当薬局からは、下記の3つのテーマで日頃の取り組みを発表いたしました。
【専門医療機関連携薬局の取り組み】
【心不全フォローアップ】
【歯科と薬局の連携】
発表を通じて、当薬局が推進する地域医療への貢献と、多職種連携の重要性について、広く発信することができました。
参加した新入社員からは、「最先端の知見に触れ、とても勉強になった」と喜びの声が聞かれ、大きな刺激を得られたようです。
来年開催される大阪での学会に向けて、今後も薬局業務の質を高め、より良い医療サービスを提供できるよう、スタッフ一同、尽力してまいります。
タイトル:医歯薬連携におけるオーラルケアでの保険薬局が果たす役割とは? -2024調剤 報酬改定後の保険薬局から歯科への情報提供の現状-
寺戸靖
目的
【目的】近年、全身と口腔の健康状態を総合的なケアをするために医歯薬連携の重要性が認知され、2024年6月の調剤報酬改定により、保険薬局から情報提供先として歯科が明記された。保険薬局では、患者が服用している薬剤や罹患している疾患により、患者の口腔衛生管理状態を把握し、歯科への適切な情報提供が必要である。そこで、2024調剤報酬改定後における保険薬局から歯科への情報提供状況を検討した。
方法
2024年6月から11月に当薬局46店舗に来局した患者について、電子薬歴に記録している医療機関へ情報提供したデータから歯科への情報提供件数と内容を調査した。さらに、2024年12月に同意を得た当薬局の薬剤師146名へ「2024年6月の調剤報酬改定により、歯科医との連携は進んだと考えるか」のアンケート調査を行った。
結果
医療機関へ情報提供した件数は1729件であり、情報提供先は医師1693件、歯科医31件、介護支援専門員5件であった。調剤報酬改定により、歯科と連携が進んだと回答した薬剤師は56名(38.4%)、患者に紹介できる歯科医がいると回答した薬剤師は66名(45.2%)であった。糖尿病や骨粗鬆症治療中の患者では、薬剤師から歯科へ受診勧奨する事例もあった。
50代男性:糖尿病治療中であるが歯科は未受診のため、歯科医を紹介し情報提供後、患者が歯科を受診80代男性:アレンドロン酸の抜歯治療時の休薬の可否について、歯科医から依頼があり情報提供
50代女性:アピキサバンの服用を患者が歯科医へ伝えていなかったため情報提供
80代女性:骨粗鬆症治療中、歯肉からの出血があったためケア商品を販売し、歯科へ受診勧奨し、情報提供後、歯科を受診
50代男性:糖尿病治療中であるが歯科は未受診のため、歯科医を紹介し情報提供後、患者が歯科を受診80代男性:アレンドロン酸の抜歯治療時の休薬の可否について、歯科医から依頼があり情報提供
50代女性:アピキサバンの服用を患者が歯科医へ伝えていなかったため情報提供
80代女性:骨粗鬆症治療中、歯肉からの出血があったためケア商品を販売し、歯科へ受診勧奨し、情報提供後、歯科を受診
考察
2024調剤報酬改定後、保険薬局から歯科への情報提供や受診勧奨は実施された。患者が歯科を受診していない、歯科へ服用薬に関して伝えていない事例もあり、保険薬局から歯科への情報提供を積極的に行うことにより、患者の総合的な健康に寄与することが示唆される。
保険薬局における心不全患者へのチェックシートの活用 〜活用状況と心不全療養指 導士を中心とした対応について〜
綱川友季
目的
近年、保険薬局において医療機関と連携した、心不全患者に対する療養指導が重要視されている。当薬局では心不全に関する社内研修を通して、現在3名の心不全療養指導士(CHFE)が在籍し、CHFEが中心となり、心不全患者への支援を行っている。その関わりの一つとして、2023年2月から心不全患者へのフォローを目的とした心不全チェックシート(以下、シート)を導入し、その活用状況について調査した。
方法
シートは血圧、体重、むくみ、息切れ、極度の疲労感の変化を記載出来る様式とし、当薬局46店舗に導入した。2023年2月1日から2025年1月31日に来局したシートを活用した心不全患者251名について、薬歴より対応状況を調査した。
結果
シートを活用してフォローした患者のうち有症状者は、血圧変化4名、体重変化23名、むくみ31名、息切れ25名、極度の疲労感5名であった。そのうちの2例を以下に示す。
症例1:70代女性、むくみがあり、足の重さを感じていた。医師より毎日常に座って過ごす影響があると連絡があり、CHFEと相談し、心臓に負担がかからない運動を提案した。2週間後、むくみは改善、体重は2kg減少し、その後も運動を継続している。
症例2:70代女性、息切れがあり、塩分摂取量が多いと医師から指摘。CHFEと相談し、随時尿の検査と塩分チェックシートの結果を用いて減塩指導を継続した。3か月後、随時尿から算出した推算一日食塩摂取量が16.9gから8.2gに減少した。
症例1:70代女性、むくみがあり、足の重さを感じていた。医師より毎日常に座って過ごす影響があると連絡があり、CHFEと相談し、心臓に負担がかからない運動を提案した。2週間後、むくみは改善、体重は2kg減少し、その後も運動を継続している。
症例2:70代女性、息切れがあり、塩分摂取量が多いと医師から指摘。CHFEと相談し、随時尿の検査と塩分チェックシートの結果を用いて減塩指導を継続した。3か月後、随時尿から算出した推算一日食塩摂取量が16.9gから8.2gに減少した。
考察
シートの活用により患者の変化を把握し、フォローに繋げる事が出来た。医療機関と連携して、心不全患者をフォローしていくことは、患者の状態確認や食事・運動指導等の療養指導において有用である。今後は、更なるシートの活用とCHFEが関わりより細やかな指導が出来るようにして、心不全患者の状態悪化を防いでいきたい。
専門医療機関連携薬局の果たすべき役割とは?〜トレーシングレポートの実施状況か ら考える〜
加藤誠一
目的
専門医療機関連携薬局の認定要件には、がん患者の半数以上の情報提供が求められている。
弊社では2022年8月に専門医療機関連携薬局が誕生した。がん患者の電話フォローアップや、乳がん患者を中心にチェックシート(以下CS)を用いた介入結果の情報提供に取り組み、その成果を一昨年、昨年の薬局学会で報告した。今回CSの継続使用状況等を追跡調査した結果を報告する。
弊社では2022年8月に専門医療機関連携薬局が誕生した。がん患者の電話フォローアップや、乳がん患者を中心にチェックシート(以下CS)を用いた介入結果の情報提供に取り組み、その成果を一昨年、昨年の薬局学会で報告した。今回CSの継続使用状況等を追跡調査した結果を報告する。
方法
2023年1月〜2024年12月の期間に、医療機関に提出したがん患者のトレーシングレポート(以下TR)を集計し内容を調査した。単純な残薬報告やプロトコルによる変更等の報告は除外した。
結果
がん患者の総数は190名であり、がん関連のTRは112件(乳がん67件、大腸がん9件、胃がん9件、前立腺がん9件、その他18件)提出された。112件のうち処方提案が19件実施され14件で処方変更が行われた。乳がん患者の来局が最も多く82名であり70名はホルモン療法継続患者であった。そのうちCSを活用したTRは52件であった。
その1例を示す。
症例:アロマターゼ阻害剤(以下AI)服用患者。関節痛G3が発現、主治医に以前相談したがしょうがないと回答され以降相談できず手持ちのロキソプロフェン錠を服用中と確認、処方医へTRを提出した。その後の受診でAIは変更となった。
その1例を示す。
症例:アロマターゼ阻害剤(以下AI)服用患者。関節痛G3が発現、主治医に以前相談したがしょうがないと回答され以降相談できず手持ちのロキソプロフェン錠を服用中と確認、処方医へTRを提出した。その後の受診でAIは変更となった。
考察
乳がんホルモン療法は長期間にわたることが多く、副作用への慣れや「変わりない」といった患者の言葉が薬剤師のフォローアップ機会を妨げることがある。しかし継続したCSの活用により、患者の状態を把握することでTR提出につなげることが可能となった。処方変更にいたる事例が確認され、CSを用いた薬剤師介入の有効性を示唆する結果となった。
今後も専門医療機関連携薬局として、患者支援の質を向上させるための方法を模索し、継続的なフォローアップの重要性を再認識するとともに、より効果的な介入方法の確立を目指す必要がある。
今後も専門医療機関連携薬局として、患者支援の質を向上させるための方法を模索し、継続的なフォローアップの重要性を再認識するとともに、より効果的な介入方法の確立を目指す必要がある。
- 第58回日本薬剤師会学術大会
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