ピノキオ薬局は、栃木県内を中心に大型調剤薬局を主とした店舗を展開している保険調剤薬局です。

第58回日本薬剤師会学術大会

第58回日本薬剤師会学術大会(2025年10月12~13日)

10月12日13日に開催された第58回薬剤師会学術大会において、ポスター発表を行いました。

今回はピノキオ薬局における管理栄養士の栄養指導における有用性について、過去の実績を集計し発表いたしました。

薬局に管理栄養士!?ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、薬局によっては管理栄養士が在籍し栄養の面からも来局される皆様の健康サポートに努めております。
今回の発表でも、管理栄養士の在籍される薬局の方とたくさんの意見交換をして、未来の薬局の在り方を議論しました。

お食事や栄養で相談したいことがある、そんな方はお気軽にピノキオ薬局のお問い合わせください。
お食事からお薬の相談まで、ピノキオ薬局は皆様の健康応援団としてサポートいたします。

薬局管理栄養士の栄養指導~実践とその有用性~

目的

近年、管理栄養士が常駐する薬局が増加しているが、薬局での栄養指導は病院と異なり保険適応が認められず、患者の自己負担が障壁となる。
栃木県に展開するピノキオ薬局では、相談内容や時間によって無料と有料の区分を設け、管理栄養士が疾病の治療や健康維持増進にどのように貢献できるかを模索している。
今回令和6年中にピノキオ薬局で実施された栄養指導について調査したので報告する。

方法

令和6年中にピノキオ薬局の管理栄養士による栄養指導の記録を後ろ向きに調査し、無料相談と有料指導の比較、相談につながる要因、薬局管理栄養士に求められている内容を調査精査した。無料相談は10分程度の簡易面談であり、同一患者の複数実施例はそれぞれの件数を計上カウントした。有料指導は単回・3カ月・6カ月の3区分を設け、食事内容の記録をもとに初回1時間、以降30分の栄養指導を実施するものであり、3カ月・6カ月長期指導コースは1件として扱った。

結果

令和6年1月~12月の間に、合計158件の栄養相談および18件(42回)の有料栄養指導が実施された。
相談内容の主な疾患の内訳は、脂質異常症が36件、血糖と減量関連各31件、血圧関連20件、胃腸疾患10件、腎臓・便秘各6件だった。
相談にいたる主な理由として、薬剤師の紹介66件、管理栄養士の声掛け39件、体組成計の活用25件、店内掲示7件、医師の紹介6件、系列薬局の依頼3件だった。有料栄養指導では、薬剤師の紹介6件、掲示・ホームページ4件、医師等の紹介3件、無料相談からの移行3件、外部イベントから紹介1件だった。
3カ月・6カ月の長期栄養指導は11件実施され、4件は途中離脱したものの減量目的の7件は期間満了し、平均体重で64.9kgから63.2㎏へ減少した。(p=0.043)

考察

相談にいたる理由の多くは、薬剤師の紹介か管理栄養士の声掛けによるものであり両者の連携が重要である。一方医師からの求めに応じて実施した例など地域からのニーズも一定数存在し、有料栄養指導につながった。
本調査を通じて、継続した栄養指導が体重減少に結びつくなど、薬局管理栄養士の介入は患者の健康管理に有用であることが示された。
他職種と連携した薬局管理栄養士の栄養指導の保険適用が進めば、より多くの患者に貢献することが可能になるのではないかと考える。
【関連資料】
第58回日本薬剤師会学術大会