ピノキオ薬局は、栃木県内を中心に大型調剤薬局を主とした店舗を展開している保険調剤薬局です。

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第20回薬局学会学術総会 

第20回薬局学会学術総会 (2026年10月17日・18日)

大阪で開催された第20回日本薬局学会学術総会に、新人6名と一緒に参加してきました。

当薬局からは、下記の3つのテーマで日頃の取り組みを発表いたしました。
【管理栄養士の取り組み】
【心不全フォローアップ】
【薬局スタッフにおける口腔ケア意識調査】

今回の学会では口腔ケアに関する発表が非常に多くなっておりました。
いち早く口腔ケアに着目し、10年以上口腔ケアへ取り組んできたピノキオ薬局としても、仲間が増えてきてとても嬉しく思っております。
参加した新入社員からは、「こんなにいろいろな取り組みがあることを知り、とても勉強になった」と喜びの声が聞かれ、大きな刺激を得られたようです。

来年開催される幕張での学会に向けて、今後も薬局業務の質を高め、より良い医療サービスを提供できるよう、スタッフ一同、尽力してまいります。

タイトル:薬局スタッフの口腔ケア意識と一般患者との比較:厚生労働省モデル事業への取り組 みが与える意識と行動の変化

加藤誠一

目的

薬局の健康サポート機能において口腔ケアの重要性が高まる中、スタッフの意識は地域住民への介入精度を左右する。口腔ケアの推進に従来より注力してきた当薬局の背景を踏まえ、本研究ではスタッフの口腔ケア実態を調査し、2023年実施の一般患者調査(以下23年調査)と比較検討するとともに、令和7年度厚生労働省モデル事業「全世代向けモデル歯科健康診査等実施事業」(以下事業)への参画がスタッフの意識および行動に与える影響を調査した。

方法

2026年1月に当薬局スタッフ158名を対象とし、口腔ケアの実態、意識および地域住民への介入意欲に関するWebアンケートを実施した。23年調査(N=732)との受診率等の比較にはカイ二乗検定を用い、事業参画前後での意識スコア(1-10点の10段階評価)の変化はWilcoxonの符号付順位和検定を用いて分析した。

結果

有効回答158名のうち歯科通院率は63.9%(101名)であり、23年調査の一般患者歯科通院率44.3%を有意に上回った。また歯磨きの回数など口腔ケアへの意識も有意に高かった。
この高いベースラインを背景として事業による意識変容を検討したところ、参画した99名(62.3%)の意識スコアは、参画前の平均6.02点から7.11点と有意に向上した。職種別の平均上昇幅は管理栄養士2.33点、医療事務1.38点、薬剤師0.91点であり、薬剤師以外の職種でより顕著な向上が見られた。自由記載では「口腔体操の指導」「具体的な歯科受診勧奨」「薬剤性口渇患者への症状聴取」などの介入意欲が示された。

考察

薬局スタッフは一般患者と比較して高い口腔ケア意識を有しているが、事業への参画は、その意識をより具体的な介入行動へと昇華させる有効な動機付けとなることが示唆
された。このような薬局全体での積極的・継続的な口腔ケアの参画により、職種を問わず高い意識が醸成されることで、薬局がオーラルフレイル予防の拠点として機能するための基盤になると考える。
【関連資料】
第20回薬局学会学術総会 

保険薬局における心不全療養指導士の介入 〜店舗を超えて支える心不全患者への対 応〜

綱川友季

目的

近年、保険薬局において心不全患者に対する療養指導が重要視されている。当薬局では、現在4名の心不全療養指導士(CHFE)が在籍し、CHFEが中心となり、心不全患者への支援を行っている。その関わりの一つとして、2025年2月から心不全患者へのフォローを目的としたサポート体制を導入し、その状況について調査した。

方法

CHFEが各1店舗を担当し、心不全患者の処方を多く受けている当薬局4店舗に介入した。対象の心不全患者に対して、心不全療養についての理解度確認と指導を改めて行い、介入を開始した。2025年2月1日から2026年4月30日に介入した心不全患者28名について、薬歴より対応状況を調査した。

結果

介入した内容は、体重測定の習慣づけ14名、塩分摂取11名、服薬状況10名、血圧測定の習慣づけ10名であった。介入後、改善した人数と割合は、体重測定の習慣づけ10名71.4%)、塩分摂取8名(72.7%)、服薬状況8名(80.0%)、血圧測定の習慣づけ4名(40.0%)であった。そのうちの1例を以下に示す。症例:80代男性、退院後、内服アドヒアランス不良のため入院中は改善していたむくみや息切れがあり、推定1日塩分摂取量は11gなど心不全療養の理解度が低かった。CHFEが介入し、3か月後、服薬状況の改善や推定1日塩分摂取量は8gとなり減少につながった。むくみや息切れの症状はなくなり、再入院もなく経過している。

考察

CHFEが介入することにより、患者の心不全への理解を深め、変化を把握しフォローにつなげる事が出来た。CHFEが関わり心不全患者をフォローしていくことは、患者の状態確認や食事・運動指導等の療養指導において有用である。今後は、より多くの心不全患者にCHFEが関わり、細やかな指導を行い、心不全患者の状態悪化を防いでいきたい。
【関連資料】
第20回薬局学会学術総会 

保険薬局における管理栄養士の有料栄養相談〜実践とその有用性〜第2報

寺戸靖

目的

近年、管理栄養士が常駐する薬局が増加し、薬剤師と連携した管理栄養士の活躍が期待される。当薬局では相談内容や時間によって無料と有料の区分を設け、管理栄養士が疾病の治療や健康維持増進にどのように貢献できるかを模索している。第57回日本薬剤師会学術大会で第1報を報告したが有料相談の症例数も限られており、栄養相談について追跡調査を実施したので報告する。

方法

2024年1月1日から2025年12月31日にピノキオ薬局の管理栄養士による栄養相談の記録を後ろ向きに調査した。無料と有料相談の比較、相談につながる要因、薬局管理栄養士に求められている内容を調査した。無料相談は10分程度の面談、有料相談は単回・3カ月・6カ月の3区分を設け、食事内容の記録をもとに初回1時間、以降30分の栄養相談を実施した。相談前後の体重比較は符号付順位和検定を用い、有意水準5%未満とした。

結果

栄養相談は無料442件および有料42件が実施された。主な相談内容は、血糖関連157件、血圧関連85件、減量関連75件、脂質異常症74件であった。相談にいたる主な理由は、薬剤師からの紹介172件、管理栄養士の声かけ130件、体組成計の活用40件、店舗掲示31件、医師の紹介21件であった。有料相談では、薬剤師からの紹介11件、店舗掲示5件、医師の紹介3件であった。3カ月・6カ月の長期栄養相談は21件実施され、減量目的の13件では、平均体重が66.3kgから64.5kgへ減少した。(p=0.0033)

考察

相談にいたる理由の多くは、薬剤師の紹介か管理栄養士の声掛けによるものであり両者の連携が重要である。また、医師からの求めに応じて実施した例など地域からのニーズは一定数存在し、有料栄養相談につながった。継続した相談が体重減少に結びつくなど、薬局管理栄養士の介入は患者の健康管理に有用であることが示唆される。