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第16回薬局学会学術総会 

第16回薬局学会学術総会 (2022年11月5日・6日)

管理栄養士と薬剤師による骨粗鬆症患者への取り組み~チェックシートを活用した栄養相談、治療と骨折予防へのアプローチ~

管理栄養士と薬剤師による骨粗鬆症患者への取り組み~チェックシートを活用した栄養相談、治療と骨折予防へのアプローチ~

寺戸靖

目的

日本における骨粗鬆症の要因は食事の欧米化(Ca、ビタミンD 摂取不足)や運動不足とされ、管理栄養士(以下RD)と薬剤師が食事療法、運動療法や薬物治療に積極的に取り組むことが望まれている。栄養、運動、治療薬や転倒防止について指導する体制を構築したので報告する。

方法

2021 年9 月から2022 年4 月に来局した骨粗鬆症患者のうち、事前チェックシートにより抽出した19 名(男性2 名、女性17 名、平均年齢67.4 歳、骨折歴8 名)に対し、骨粗鬆症スペシャリスト研修を行い社内認定した薬剤師とRD が対応した。RD は食事記入表より1 日のCa 摂取量を算出し、骨粗鬆症治療ガイドライン掲載のCa とビタミンK 自己チェック表も用いて指導した。骨に良い運動と転倒防止対策について独自に作成した実施提案書を用いて指導した。

結果

指導件数は、栄養16 名(84.2%)、運動11 名(57.9%)、転倒防止は骨折歴のある8 名中4 名であった。
症例1:ステロイド治療10 代男性、偏食あり。1 日Ca 摂取量387mg と少なく、成長期に必要なビタミン、Ca、たんぱく質について栄養指導、偏食、Ca 摂取量は改善。
症例2:60 代女性、1 日Ca 摂取量735mg と目標摂取量以上、ビタミンK・D が効率的に摂取できる献立を実施。

考察

指導件数は、栄養16 名(84.2%)、運動11 名(57.9%)、転倒防止は骨折歴のある8 名中4 名であった。
症例1:ステロイド治療10 代男性、偏食あり。1 日Ca 摂取量387mg と少なく、成長期に必要なビタミン、Ca、たんぱく質について栄養指導、偏食、Ca 摂取量は改善。
症例2:60 代女性、1 日Ca 摂取量735mg と目標摂取量以上、ビタミンK・D が効率的に摂取できる献立を実施。
症例3:牛乳や小魚が苦手な80 代女性、自己チェック表にてCa が6 点、ビタミンK が15 点と不足。大豆製品や野菜等を積極的に摂取すれば改善されると指導、食事内容は改善。
栄養指導は、各人の嗜好を考慮し、生活の質を低下させる事なく実施できた。
症例4:骨折歴のある80 代女性、ケアマネージャーと相談し、転倒防止策として足回りの整理と玄関先のスロープ設置を実施し、医師に了解を得た上で運動を一緒に行い継続中。
【考察】栄養指導、運動療法や転倒防止策は、個々の嗜好に合わせQOL を低下させることなく実施することが重要である。薬剤師はRD と協力することで、服薬指導の範疇を超え、QOL の低下を防ぎながら栄養指導する体制の構築に寄与できる。
【関連資料】
第16回薬局学会学術総会 
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