ピノキオ薬局は、栃木県内を中心に大型調剤薬局を主とした店舗を展開している保険調剤薬局です。

第11回日本くすりと糖尿病学会学術集会

第11回日本くすりと糖尿病学会学術集会(2023年9月2日・3日)

ピノキオ薬局では糖尿病の患者様へのサポートをより充実するために社内研修に取り組んでおります。
今回は、糖尿病社内認定を受けた薬剤師がその取り組みを発表しました。

11月の栃木県糖尿病療養指導士更新研修会でも、その取り組みをご紹介させていただく予定です。

薬局薬剤師が取り組んだ、かかりつけ患者の合併症予防への介入事例

青木 一恭1 加藤 誠一1、寺戸 靖1、篠原 祐樹1、近藤 澄子1 、田中 直哉2(株式会社ピノキオ薬局1 株式会社ピノキオファルマ2 )

目的

糖尿病療養患者への支援は血糖コントロールが主となることが多いが、QOL維持のために合併症早期発見への支援も必要である。今回かかりつけ患者の合併症予防のため眼科、歯科の受診勧奨を各10人に行い、それぞれ5件、4件の受診に結び付いたのでその内容を紹介する。

結果

【症例1】60代女性。2型糖尿病。HbA1c7.0%、随時血糖値116mg/dL、BMI23.4。ビルダグリプチン錠100 mg/dayで治療中。眼科は未受診だったことから、糖尿病患者は合併症リスクがあることを説明。合併症症状のチェックリストを用いて合併症リスクの有無を確認し、合併症症状が疑われたことから定期的な眼科受診が必要であることを説明した。指導後に眼科受診したところ網膜症が発見され3か月に1回の眼底検査で定期的に経過をフォローすることとなった。
【症例2】60代男性。2型糖尿病。HbA1c6.9%、随時血糖値148mg/dL、BMI30.1。
グリメピリド錠3 mg/day、シタグリプチン錠50 mg/day、ルセオグリフロジン錠2.5 mg/dayで治療中。定期的な歯科受診をしていないとのことから公益財団法人8020推進財団の歯周病セルフチェックを実施したところチェックが4個該当、歯周病が疑われることから定期的な歯科受診が必要であることを説明した。指導後に歯科受診をしたところ歯周病と診断され、歯周病治療が開始となった。

考察

薬剤師による積極的な合併症予防への介入により問題点を解決することができた。
糖尿病療養歴が長くなることによりコンプライアンスや生活習慣の乱れ、血糖コントロール不良により合併症リスクが高まることから、定期的に聞き取りを行い、状況に応じた介入を行っていく必要があると考えられる。


【関連資料】
第11回日本くすりと糖尿病学会学術集会